遠距離黒ファイ/颯人




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「あーもしもし黒たん?元気ー?」

会社のすぐそばの小さな公園で、買ってきたコンビニ弁当を広げながらスマホを耳に当てる。そこから流れてくるのは、いつもと同じ無愛想な声。
中学の時に、黒様と初めて出会った時の衝撃は今でも鮮明に覚えている。同じクラスの誰よりも大きくて、黒くて、無愛想。最初は近寄り難いなぁ、なんて思ってたのに、ふとした弾みで関わりを持ってみたらなかなか良い人だった。

「うるさいなー、黒りんこそちゃんとご飯食べてるのー?」

中学高校と同じ学校に通って、初めて進路が別れたのが高校卒業後。
オレ達が育ったのはこの国の片田舎で、オレは地元の小さな会社に就職することに決めてた。オレを育ててくれた人の会社だから。恩返ししたかったんだ。けれど黒様は、やりたいことの為に都会へ行って大学に進学することに決めてた。
その時にはもう黒たんの事が好きで、だから最後の最後にダメ元で言ったんだ。好きだって。そうしたら、黒様も同じ気持ちだって言ってくれて。わんわん泣いちゃった。

「ふふっ…んー?いやいや、高校の事思い出してさー」

今じゃ黒様も向こうで就職して、やりたいことに少しずつ近付けてるみたい。
それは嬉しいこと、なんだけど…でも。前はなんだかんだで長い休みとかには会えてたのに、今じゃそれもできないみたいで。

「あははー、黒りんらしいや」

さみしい。
毎日、お昼休みにはこうやって電話してはいるけど、でも。
でも…。

『…おい、聞いてんのか』
「えっごめん、なになにー?」
『ったく…今週末、時間出来たからそっち帰る』
「……ほんと?」

嘘はつかねぇよ、なんてぶっきらぼうな声。
…黒たんって、もしかして人の心、読めるのかなぁ。



答えはシンプル 貴方が好きなだけ!




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いっ色々すみません…!
お題を履き違えたというか黒様出てこないってどういうことなんですか…!!

今回は企画に参加させていただき、ありがとうございました!


2013.11.23=